大島ミチル、日本フィル・シリーズ第42作世界初演作品タイトル決定!

「Beyond the point of no return」(日本フィル・シリーズ第42作)
 

2019年9月6日、7日第713回東京定期演奏会にて世界初演されます。
大島ミチル氏から届いたプログラムノートをご紹介いたします。

 

「私は長年、映画、テレビ、アニメなど映像の音楽を作曲してきました。映像の音楽は、映像という身体全体に血を流すような役割りでもあり、また言葉にならない人の気持ちの代弁者だったり、映像の中では、見えないけれども縁の下の力持ちのような存在です。
一方、純音楽は、最初は私自身が日々生活していて社会に対して感じる事や思う事を音にするというスタンスで書き始めました。そしてそれ以来多くの室内楽や交響曲、コンチェルトなどを書いてきましたが、今回は初心に戻って、ここ数年、私自身が思っていることを音楽にすると決めました。
普段、アメリカやフランスにいる時間が長い私は、小さなボートに乗って命がけで国境を越えて新しい地を目指す難民や必死に壁を越える移民をテレビで沢山見て来ました。
またここしばらくは気候変動で住まいや命を失う人が増え続けています。
「もう引き戻せないところまで来た人や自然環境・・・そしてそれを越えた先に何が待っているのか?」
その思いを今回は作品にしました。
人の持つエネルギー、哀しみや不安、多様性、個々のぶつかり、人の手に負えない自然の脅威・・・
それらは、オーケストラという多様な楽器、共鳴や時には反発する響きによってより強く表現出来るだろうとの思い、そしてその後戻りできない地点を越えた先が悲観的なものではなく、人間の力によってきっと素晴らしいものであって欲しいとの願いも含めて作曲しました。
私にとって純音楽は人そのものなのだと・・・音符一つ一つが細胞であり、全てが綿密に絡み合い・・・
それらが指揮者やオーケストラによって命を吹きこまれる瞬間を楽しみにしています。

大島ミチル」
 


■大島ミチル
長崎県長崎市生まれ。国立音楽大学作曲科卒業。在学中から作曲家として活動を始め、映画音楽、CM音楽、TV番組音楽、アニメーション音楽、施設音楽など様々な分野で活躍。在学中に、交響曲第一番
「御誦」を発表。第52回、第67回毎日映画コンクール音楽賞。第21回、第24回、第26回、第27回、第29回、第30回、第39回の日本アカデミー優秀音楽賞、第31回日本アカデミー最優秀音楽賞を受賞。映画「失楽園」、「明日の記憶」、NHK大河ドラマ「天地人」、アニメ「鋼の錬金術師」他多数の音楽を手がけている。純音楽も交響曲第二番「Since 1945」、サックスコンチェルト、クラリネットとマリンバとオーケストラのため2つのラプソディ、管弦楽曲「Sama」、琴と尺八のためのコンチェルト「無限の扉」、弦楽四重奏「For The East」他多数。

 

第713回東京定期演奏会 サントリーホール
2019年9月6日(金)19:00
2019年9月7日(土)14:00

指揮:山田和樹[正指揮者]
ヴァイオリン:田野倉雅秋[日本フィル・コンサートマスター]
サン=サーンス:歌劇《サムソンとデリラ》より「バッカナール」
間宮芳生:ヴァイオリン協奏曲(日本フィル・シリーズ第2作)
大島ミチル:Beyond the point of no return(日本フィル・シリーズ第42作)
ルーセル:バレエ音楽《バッカスとアリアーヌ》第1・第2組曲

 

9/2開催!<山田和樹×大島ミチル>対談(朝日カルチャーセンター)
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